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zoom RSS 生きものと人間 ― 自然農入門体験記(9)

<<   作成日時 : 2015/08/08 17:24   >>

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7月26日(日),長野県富士見町の八ヶ岳自然生活学校で行われた生きもの観
察会に参加した。この催しは、この学校の自然農を理解するために、年に2回行われているもので、今回で6回目だという。

生きもの観察の専門家である林鷹央さんのガイドの下,子どもを含む参加者およそ十人ほどで黒岩自然農の田んぼの生きものを探し,炎天下1時間ほどの間に30種類以上の水中動物を採集した。

林さんの分類によると,この自然農の田んぼには,70種類以上の生きものが生息しているとのことで,これは全国的にもかなり珍しい例だそうだ。しかも,Aランクに相当する希少生物がかなりみられる点で特徴的だという。

観察の後,すべての生きものを田んぼに返し,いつもの地球ハウス(自然農の教室として使っているところ)で,黒岩さん自家製の低温発酵甘酒をいただきながら,夕方まで話し合いを行った。途中からは,筑波大学で環境問題を研究しているデビッドさんも参加,オーストラリアの絶滅危惧種の保存運動についてのお話もあった。

この話し合いに参加しながら,もう20年ほど前に,カヌーイストの野田知佑さんがきれいな川を保全するには,まず人間が川の流域に住まないことという話をどこかに書いていたのを思い出した。人間が生活することと環境を保全することの共存の困難さを指摘したエッセイだったのだが,そのころから環境と人間の共存については,頭のどこかにあったような気がする。

一方,環境保全というと,さまざまな生物の絶滅を防ぐための努力として,外来種の排除ということが主張される。しかし,外来種とは何かという議論もまた重要だろう。昔に戻せばいいという話でないことは明らかだからだ。

そうすると,生物の保存・環境の保全という問題は,むしろ人間とそれ以外の生物との関係をどうするかという課題であることに気づく。人間社会では,多文化多言語の共生がうたわれているが,これは,在来種と外来種という区別による議論ではない。人間以外の生物の場合,放置しておくと,すぐに強いものが優勢になって,あっというまに他の生物を駆逐してしまい,同一種が大量に繁殖する事態を招くという。同一種ばかりになると,今度は共食いという現象が生じ,生態系は完全に破壊されるという。生物多様性というコンセプトをどのように考えるかが,ここでも問われている。これを制御できるのは,人間の知恵以外になく,その意味で,生物科学の知見によって,どのように地球の生態系を維持していくかという課題であることはまちがいがない。

しかし一方で,人間の社会こそ,そうした「共食い」をしない社会でなければならないはずだ。これは単純な棲み分け論によって解決する問題でもなさそうだし,人が人を殺さない社会,それぞれがそれぞれを尊重する社会をつくるために何が必要なのかを考えることになるだろう。

田んぼの生きものを観察することは,生きものと人間の関係,そして生物多様性の意味をもう一度考えさせてくれる機会になった。

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